「……」
スタスタと廊下を歩く早瀬君。
こうやって学校内を男子と歩くのは初めて……。
私は横に並んで歩くのは少し気が引けて、早瀬君の斜め後ろをちょこちょことついて行った。
恥ずかしくて俯いていた顔を少し上げる。
身長……、175センチくらいかな、とか。
シャツ越しに分かる背中や腕、意外としっかりしてるんだな、とか。
歩くスピード、ほんの少しだけ早いな、とか。
男の子なんだな、という当たり前のことを、ものすごく意識してしまった。
たまに残っていた生徒達とすれ違う時。
あ、もしかして私達つきあってるって思われたかも、と、いらぬことを考えた。
男女でも友達として喋ったり歩いたりしている生徒はゴロゴロいるのに。
自意識過剰……。
なんか、私って本当に免疫がないんだな、と再認識させられた。