キーンコーンカーンコーン。


5時のチャイム。


部活動をしている人達は6時までが多いけれど、図書室はこのチャイムで閉めることになっている。


いつも早瀬君が鍵をして職員室に返しに行ってくれているから、私は毎回先に出て先に帰っている。




「あ……、いつも鍵お願いしてるから、今日は私がするよ」


ガチャン。


ちょうど早瀬君が鍵をひねって施錠した時、そう提案してみた。


「じゃ、一緒に行こうか。
鍵かける場所、分からないでしょ？」


早瀬君は自然にそう言ってくれた。


「あ、……ありがと」


私は善意で提案したのだが、結局早瀬君をつきあわせることになってしまった。