「そこまで突っ込む?」


「いつ?」


「去年……だったかな」


「去年、それなりのことをしたの?」


ははっ、と早瀬君は笑い、いつもの鉄仮面が崩れた。


「ホントおもしろいね、楠原」


「……」


ガーン。


もしマンガだったらこの効果音。


ショックだ。


早瀬君は同じ匂いがしてたのに。


異性とどうのこうのって、別にそんなに興味ないって思ってたのに。


「裏切り者だ……」


未だクスクス笑っている早瀬君は、


「ほら。
そういうふうに、地を出せばいいのに。
クラスの子達の前でも」


と、足を組み直しながら言った。