風が舞って、少し埃っぽい風が入って来た。


カタン。


カラカラカラ……。


私に影が出来る。


気付くとまた斜め上に早瀬君の顔と腕があって、私の後ろの窓を閉めていた。


頭のてっぺんの少しだけ髪が浮いている部分に、早瀬君の腕が、いやシャツがフワッと掠った。


「……」


私は慌てて視線を戻し、いちごオレをチューーっと吸った。


風が入らなくなったことで、またフッと図書室が姿勢を正す。


緊張感が戻ってくる。


私は、俯いた勢いを使い、赤くなった頬を横の髪で隠した。