「何?」


視線が目次から離れて、知らず知らず早瀬君を見ていた。


「や。
何にも……」


「そ」


ふいっと早瀬君は視線を戻した。


確かにそっけないけれど、確かに何考えているか分からないけれど、ちゃんと血の通った人間だ。


あんなふうに言われるのは、他人事とはいえなんか嫌だな。


『もしかして2人っきりで、係とか?』


ついでにこの言葉も思い出した。


「……」


よくよく考えてみると、もしかしてこの係1人でもいいんじゃないかな。


利用者ほとんどいないし、いても1人で事足りるし。