そんな人と思いがけず付き合うことになって、もともと男子と全く喋ることの無かった私が自分からアクションを起こすなんて、到底無理な話だった。


あの2人つきあってるらしいよ、って噂だけが先走りして、当人同士は一度も喋ることがなかった。





恥ずかしかった。


からかわれたり、肘で小突かれたりすればするほど、話すタイミングが分からなくなり、勇気が無くなっていった。




有り得ないけれど本当の話。


しばらくしたら噂も薄れていった。


京子ちゃんも、私のあまりの大人しさに半ば呆れていた。


勝手に言ったのは京子ちゃんなのに。


私、別に告白して来てとか頼んでないのに……。