「笑わないんだね」


「……え?」


「男なのに絵かよって」


「なんで?」


「いや……」


早瀬君はふっと笑った。


頭良くて、スポーツもできて、絵も上手で。


逆に羨ましい。


「絵。
上手だったもんね……」


「よく知ってるね」


特に顔色を変えず私を見る早瀬君。


「あ。
……うん」


少し恥ずかしくなって目を逸らした。


「あれ?
でも、放課後部活行かなくていいの?」


「今、家で描いてる」


「ふーん……」