そうだ、今度早瀬君の絵を見たいって言ってみよう。 もう一度走ってみようと思っていることも相談してみよう。 今は早瀬君の腕の中でもう少しゆらゆらしていたいから。 近いうち言ってみようかな、 と思う。 「何? 楠原」 私の視線に気づいた早瀬君が顔を覗き込む。 「何でもない、よ」 恥ずかしいけれど、目を合わせて含み笑いをした。 ああ。 明日。 恵美ちゃんと玲奈ちゃんに、早く報告したいな。 ― END ―