「あれ?」


私の家の近くの公園。


早瀬君は普通に私の手を引いたまま中に入った。


「早瀬君?
寄るの?ここ……」


無言の早瀬君は、公園に入ってすぐの木の陰のところで振り返った。


「わっ!!」


不意に握った手を引っ張られて、ポスンと早瀬君の胸のあたりに顔がぶつかる。


「あー。
長かった」


そのままぎゅーっと腕に力を込められ、抱き締められる。


私は早瀬君の腕の中に埋まってしまい、目の前の真っ暗さと、一瞬で迎えた恥ずかしさと緊張のピークに身動きが取れなくなった。