「いいよ。
俺も一緒だから」


笑いながら左手を差し出す早瀬君。


「……」


なんか、慣れてるな、と思いながらおずおずと右手を伸ばしてその手に触れた。


「――っ!
嘘つき。
めちゃくちゃサラサラしてるし。
早瀬君の手」


ハハ、と笑って握る手に力を込める早瀬君。


「だって。
繋ぎたかったから」


さらりとそう言いのける早瀬君に、もう私はどんな顔をすればいいのか分からなかった。