「あ、お、おはよ……」


いつもと変わらない恵美ちゃんと玲奈ちゃん。


「入らないの?」


恵美ちゃんが首を傾げる。


「……。
あ、あの。
2人とも、こっちに、ちょっと」


私は2人の手を引いて、廊下の隅の窓の方へ引っ張る。


2人は意外そうな顔をして、


「え?
果歩りん。
どしたの?」


「やべ?
拉致?
うちら拉致られてる!?」


と笑いながら言った。




隅まで行くと、私はくるっと振り返り、


「ごめんなさい」


と、説明も無く頭をぶんっと下げて謝った。