ふーん……。 「ふーん」 モテるんだ。 ……モテるよね。 確かに整った顔しているから。 「楠原は?」 「え?」 「いるの? 彼氏」 「……。 いや。 いないよ」 「ふーん」 ふーん……。 て。 なんだそりゃ。 高校2年生。 一番楽しくて、一番はしゃげて、一番青春を謳歌する時期。 私と早瀬君は、こんなにも地味に、こんなにも静かな図書室で、もくもく、もくもく、 ……読書。 変なの。