あっという間に5時のチャイムが鳴った。
今日は慌ただしかったことに加え、早瀬君と結構会話をしていたから、1時間はすぐだった。
キィ……。
いつものように折りたたみ椅子を畳んで、カバンを持ち、外へ出る準備をする。
室内に誰も残っていないか確認し、扉を閉めて、鍵をする。
カチャリ……。
静かな長い廊下に施錠の音が小さく響く。
鍵をしてくれた早瀬君を見上げる。
早瀬君は静かに私を見下ろして笑った。
1学期間、放課後ずっと一緒だと思っていた早瀬君。
クラスは同じなのに、来週から離れ離れになるみたいな気になる。
実際、話すことも無くなるだろう。
私も、早瀬君も、クラスの中で……そういうキャラじゃない。