あのまま早瀬君が来てくれなかったら、私きっと泣いてた。


あの雰囲気を自分で収拾できないまま、もっとぐちゃぐちゃにしていた。


クラスではあまり誰とも話さない早瀬君。


その早瀬君が私を助けてくれたということが、この上なく嬉しいし、この上なくくすぐったかった。








「……最後だね」


視線を前に戻した早瀬君は、ポツリとそう言った。


「うん」


すぐに何のことか分かった私は、ストローを咥えたまま答えた。




「1つ、告白していい?
楠原に」


「……え?」


『告白』という言葉に、胸がドクンと跳ねた。


何を言われるのかという緊張と期待が私の体を一気に駆け巡って、私は目を泳がせた。