「すみませーん、この本返却したいんですけど」


気付くと、1年生のバッジをつけた女の子がカウンターの上に本と手を置いていた。


「あ、すみません。
……っと。
はい。
返却オッケーです」


私は慌てて返却の印鑑を押して本を預かった。


女の子は怖い顔で私をちらっと見て、図書室から出ていった。


「……」


ん?


「あれ?
彼女?
もしかして」


「いや」


「あ……、そ」


「この前告られたけど」


「……」