カラカラカラ。


パタン。


図書室についた。


今日は人がいる気配が無い。


私はカウンターに辿り着く前に、気が抜けてヘナヘナと木の床にへたり込んでしまった。


「……。
楠原」


ふ、と笑った早瀬君が、握ったままの私の腕をくいっと持ち上げようとする。


私は、頑張って起き上がって、ヨロヨロしながら、半ば早瀬君に介護されているような形でカウンターの中に入った。


早瀬君が椅子を出してくれて、ようやく腰を下ろし、呼吸を整える。


「ちょっと待ってて」


早瀬君は3分程図書室からいなくなり、いちごオレとコーヒーのパックジュースを手に抱えて戻ってきた。


「はい」


ストローまで挿してくれて、私の手にいちごオレを持たせる早瀬君。


私は口をすぼめて、一気にそれを吸い込んだ。