「今日は……ごめ」


「ねー、行こうよー」


高田君が私の言葉を遮って、腕を掴んでブランブランさせる。


周りのガヤガヤに紛れてはいるものの、彼の声は相変わらず大きかった。


どうしよ……。


今日は早瀬君と放課後一緒に過ごせる最後の日なのに。


「果歩りん!
遊ぶことも覚えなきゃ。
行こうっ!」


玲奈ちゃんも私の席まで来て、背中をポンと押す。


……早瀬君と、もう接点無くなるかもしれないのに……。


今日で、さ、最後なのに……。


嫌だ。


イヤ、ダ……。


「果歩りんちゃん。
ねえ、行」


「嫌だっ!!」