あっという間に放課後になった。


HRが終わるや否や、恵美ちゃんが急に私のところに駆けてきた。


「果歩りん果歩りん果歩りん!
今日、今からカラオケ行こっ!」


「――え?」


ツバが飛んできそうなその勢いにびっくりした。


「この前のメンバーで、ね!
もう高田達には言ってあるし」


チラ、と斜め3つ前の席を見た。


HRが終わった直後のため、早瀬君はまだカバンの整理をしている。


「……や、私は……」


「果歩りんちゃんっ!」


タタタッ、と廊下からこの私の席まで走ってくる足音。


「やっと終わった、このクラスのHR。
待ってたんだ!
行こ、一緒に」


高田君が間近まで来てにっこり笑う。


廊下には、この前の男子と木之下君の姿も見えた。