「サッカー部」


前を向き直し、少し顔を上げてサラリと言う早瀬君。


「あれ?
美術部って……」


「ああ。
あれ。
ウソ」


私は一瞬思考が停止した。


――へ?


「俺、サッカー部なの」


はい?


「クラブチームって……」


「それはホント。
週末に顔出してる」


何の悪びれも無く、早瀬君は淡々と説明する。


「えっと……。
絵、描いてるって……」


木之下君も言ってたし。


家にアトリエまであるって。


「それもホント。
美術部じゃないけど家で描いてる」