「おー、早瀬じゃん」
靴箱から校門へ向かっていると、ザク、ザクと聞き慣れない足音と、見慣れないガタイのいい男子生徒が近寄ってきた。
サッカー部のユニフォームのため、学年が分からない。
「あ、どーも。
先輩」
早瀬君は見知った感じで軽くペコリと頭を下げる。
先輩ということは3年生ということで間違いない。
「お前腰のヘルニアもう大丈夫なの?」
「はい。
もうドクターストップ解除されたんで、来週からは復帰できます」
「マジ頼むぞ。
俺ら3年は後が無いんだから、お前に抜けられると相当痛いし」
「ハハ。
持ち上げるの上手いっすね」
「いや、笑い事じゃなく。
本音だし」