カタ……。
並べて、できた長方形の隙間。
ちょうど1列前の棚にも隙間があって、その間からカウンターが見える。
本を読んでいる早瀬君の肩から上だけが目に入る。
はは。
確かにカウンター高いよね。
あそこで勉強してるなんて、そりゃ、私、滑稽だわ。
ふっと鼻で笑う。
カウンターの後ろにある窓から射す夕日。
早瀬君が影になっている。
首が疲れたのか、早瀬君はふいに顔を上げた。
首の後ろに手をあてて2、3回ポキポキとさせる。
変わったな……。
早瀬君。
背が高くなった。
肩が広くなった。
首が太くなった。
声が低くなった。
本を持つ手が、……大きくなった。
しみじみと思い出す。
中学2年生だった時の早瀬君。
彼と私は、同じ中学だった。