「だってさ、この果歩りんちゃん超俺のタイプなんだもん」
冗談か本気か分からないが高田君は尚もおどける。
私は何て言っていいのか分からずに、愛想笑いをしながらチラチラ早瀬君の背中を見た。
やっぱり、こういうノリは私には分からない。
連発される『可愛い』も嬉しいは嬉しいけど、早瀬君が言うみたいには心に響かない。
ああ。
早瀬君、今、どんな顔してるんだろ。
怒ってる?
それとも、別に大して気に掛けてない?
うるさいなー、ってくらい?
結局、高田君はチャイムが鳴るまで私の席のところではしゃいでいた。
午後の授業中、私は、何度も何度も早瀬君の背中に目がいってしまった。