「スッピンもいいけどさ、たまにはお化粧してみようよ果歩りん!
せっかく眉そろえたり前髪上げたり、お洒落に目覚め出したんだから」
「そうそう、高校生なんだよ。
お洒落楽しまなきゃ」
うむを言わせないマシンガントークで目をキラキラさせている2人。
「あ、……いや。
私は……」
お化粧なんて、高校卒業してからでいい。
どうせ、似合わないし。
上手く出来ないし。
「ナチャラルにするから。
はい、目を閉じて~」
恵美ちゃんの顔が近付き、既に嫌だと言える状況じゃない。
あぶら取り紙、下地、ファンデ、パウダーと、流れるように顔をいじられていく。
「わっぷっ!
ちょっ、え、恵美ちゃん」
「ほら、肌とか超綺麗だし」
「おお、いけるいける」