「なんかそういう顔の動物いるよね?
カピバラだっけ?」


クスクス笑いながら私をからかう早瀬君。


でも、悪いけど、今は、……耳に入ってこない。


それがどれだけ失礼な言葉でも。


「……」


好き?


カーーーーッ、と文字通り赤面する。


「楠原?」


ああ。


そうか。


そうなんだ。


これか。


……これなんだ。


『好き』って……。






その時。


早瀬君が私の赤い顔を見て、ゆるく笑った。


あれ?
今、私の心読んだのかな?
と思った。


「思い出し赤面?
おでこまで真っ赤にして」


思い出して赤くなるって、何を……。