あれ?


なんで、こんな議論してるんだっけ。


なんで、私、怒ってるんだっけ?




「俺は、子供だよ」


そう言って笑った早瀬君は、ものすごく大人に見えた。




「……」


ギ……。


勢いで少し浮かしてしまった腰を、ストン……、と下ろす。


あ。


なんか……。


今、自分、ものすごく恥ずかしい。


分かったような口きいて、実は分かってないの自分1人だけだったみたいな。




……卑屈。


その二文字が、頭をよぎった。


今、一番大人げないのは、間違いなく、……私だ。