「楠原、俺をどんな人だと思ってんの?」
「一匹狼」
ふ、と早瀬君は笑った。
だって、早瀬君は私と同じ匂いがしてた。
いつも1人でいて。
あまり人と関わりたくなくて。
騒いでいる男の子達とは一線引いたような。
1年の頃の様子は知らないけれど、中学校の時もあんまりバカ騒ぎしてなかったし。
「なんか、私、苦手。
あの人」
するりと本音が口から出た。
「……なんで?」
「キラキラしてるから」
「何それ」
ギ……。
椅子の軋む音。
早瀬君は興味深そうに私を見て、腕を組みながら話を聞いている。
こういう自分の哲学のぶつけ合いが、意外と好きみたい。