「実結、どうしたの?もしかして――…噂気にしているの?」

私の様子に、前も言われた台詞を佐喜子が口にした。

「…気にしてるわけじゃない」

気にはしてない。
ただもう、確信になってしまっているから、何も想わないだけだ。


「もう、どーでもいいや」

今日、修弥が事故に遭うことだって、なんだっていい。修弥があの女の子と関係があったところで今日の私には何ら関係がない。


私と別れたって修弥にとってはなんら問題がないんだから。

デートを断って、ケンカをするのだってめんどくさいと想ってしまうんだもの。



「修弥君に聞けばいいのに…」

「聞いたって答えは変わらないし、そのうちあっちから言い出すんじゃないの?」

いや、それはないか…
今日は修弥が事故に遭うし、今日は繰り返されるし、もしも繰り返さなかったところで――…





そのまま終わるだけだ。


不思議と悲しさも苦しさもない。

だって何で――…今まで避けようとしていたのかさえ分からなくなってしまった。

何をしたって変わらないし、変わったところで修弥との関係は何も変わらない。終わりに向かっていくだけじゃない。


「もういいの。もともと成り行きで付き合ったような感じだし、いいの」


どこが好きだったのかと思い出そうとしても、もう思い出せない。

修弥だって何で私と付き合ったままの状態で一緒にいるんだろう。