「何の用事?」
修弥の言葉に、顔を少しだけ上げて聞いた。
修弥の表情が一瞬止まるのが分かってそれが…私の胸に痛みを与える。
「誰からの電話?」
「誰でも良いだろ、なんだよ急に」
言えないの?
いえば良いじゃない。
そんなに行きたいなら――…
「何の用事かわからないのに、はいそうですか――…なんて言えない。
行かないでよ。言わないなら行かないで!」
「はあ?なんだよそれ…わけわかんねーな」
「何よ、言えないような用事なの?」
お願いだから行かないで!
離れていかないで!
このまま明日まで一緒にいてよ。
「お前なあー…」
「女の子と――…遊びに行く癖に!」