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「実結」
もうそろそろ来る頃だろうと思っていたところに、修弥が教室に入って来るなり私の名前を呼んだ。
教室の中には私一人しかいない。
ホームルームはもう一時間以上前に終わったんだから当たり前だ。
顔を上げると中には入ってこないでドアにもたれかかって私を待っていた。
いつもいつも――…修弥が私を呼びに来るのは、一時間以上経ってから。それまで教室に残って友達と話してるんだろう。
昔は不機嫌にもなったけれど、最近ではそんなことなんとも思わなくなったんだから人ってつくづく順応性があるんだな。
便利。
つまらないことで腹を立てることがないんだから。
「何時の映画か分かってるの?」
悪びれた様子のない修弥に、鞄を肩に背負って近づく。
「さあ、いつでもやってるだろ?」
それもそうか。
そう思いながら私が近づくと外に出た修弥の後を歩いた。