修弥との思い出は――…いつも晴れてた記憶しかない。
それも、付き合う前の方が覚えているような気がする。
何となくだけど、思い出す修弥の笑顔はいつも中学時代の様な気がする。
みんなと一緒に笑って騒いだ毎日の記憶。細かく覚えてないけど…
昔のことを考えると一気に未来のない今を突きつけられる。
「――…ねえ、映画やめない?」
「は?」
考えるよりも先に出た言葉。
そうだ。映画に行かなければいい。別に今日見なきゃいけない事だって無いし、別の場所に行けば良いんじゃないの?
「今日は、雨だし、どっか屋内で」
「じゃあ映画でいいじゃねえか」
そうなんだけど、そうじゃなくて…!
「映画見る気分じゃないし…」
「もともとその予定だろ?なんで急に。意味わかんねーよ。じゃあどこ行くんだよ」
わかんないけど――…どこか別のところがいい。何て言えば分かるだろう…
「じゃあ…違う映画館行こうよ!」
「…なんで?」
…なんでと言われたら…どうしていいのかどういえば良いのかわからないけど――…ここじゃ事故に遭うから、なんて言えばもっと訳のわかんない顔をされるに違いない。