夜中に一緒に歩いていたらしいことしか知らないけれど、あの女の子は高校から一緒になったんだから、関係があるとすればここ半年程度のことだろう。
なんで――…修弥は何も言わないんだろう。
別に私だって可愛く無いとは思ってないけど、少なくともあの子よりも可愛く無い事は分かってる。
あんなに髪の毛は綺麗にセットしてないし、あんな風にいつもニコニコしてないし。
優しさだってあの子に比べたら叶わないんじゃないかと思う。そんなに話したことはないけど。
私を見かける度ににこりと笑いかけてくれるのを知ってる。
修弥の彼女と知りながら私に笑いかけるんだ。
私には出来ないのに。
――…そんなこと考えちゃいけない。今は考えちゃいけない。そう思う気持ちと黒い感情がぐるぐると渦になる。
「――…実結、さん?」
背後から名前を呼ばれたその声に、目の前が一瞬白くなった。
ゆっくりと振り向いた先には、分かっていたとおりふわふわの女の子。