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「なに険しい顔してるの」
授業が終わっても未だ考えてる私に、佐喜子が不思議そうな顔をして傍にやってきて座った。
「んーちょっと」
「さっきのテストそんなに悪かったの?」
まあ、悪いのは悪いんだけど…佐喜子の言葉に「んー」と小さく返しただけで、顔を上げた。
考えていたって仕方がないことは分かってる。
「そんなに悪いなら復習でもしたら?」
そういって、私の机に出しっぱなしになっている教科書を手にとってパラパラとめくった。
別にそういう訳じゃないんだけどなあ。
答えが知りたい訳じゃない。
『どこで』『なんで』を知りたい。
「ほら、ここ出たでしょ?」
ぱっと教科書を広げてくるりと私の方向から見えるように佐喜子は教科書をひっくり返した。
「――あ…」
ガタッと思わず立ち上がる。
「そうだ…」
確か――昨日もこんな感じだったんじゃなかったっけ?何がきっかけか…そこまで思い出せないけど。
佐喜子に復習をしたらって…言われて。