「はーい、テストするぞー」



そういって元気よく教室のドアを開けて先生が入ってきた。

ああ、そういえばこんな感じだったっけ。何となく時計を見ると、三限目の時間を正確に指していた。


三限目だったんだ。


そんなこと思う。

毎日毎週同じような繰り返しなんだからいちいち授業を覚えてない。

教科書だって大体学校に起きっぱなしだし。


テストと言う声に、私と同じように忘れていたんだろうクラスメイトたちがざわざわと声を出す。

多分私も知らないときはこんな感じだったのか。

まあ、知っていたからって今も出来る訳じゃないけれど。

休み時間に何となく教科書を開いてみても、何のテストが出たのかさっぱり思い出せなかった。


「はい」

前から回ってきたプリントを後ろの席に回しながらテスト用紙をひっくり返す。


――さっぱりわかんないや



見たような記憶があるかと言われたらそうなんだけど…だからってそもそも答えを知らないし。


分かる気がする答えだけを埋めて、残りを眺めながらシャーペンをカチカチと鳴らした。