「や、眠いだけ」

一瞬、佐喜子に相談しようと思ったけれど――佐喜子も今日を繰り返していたりするのかと。

だけどそんなことは言えない。
佐喜子の表情はいつもと一緒だし、もし繰り返していたなら佐喜子だってこんな風に笑いはしないだろう。


「なーんだ、テストで心配なのかと思った」

「ああ、小テストだっけ?」

勉強はしてないけど。

「あれ?覚えてたんだーなに?もしかして夜更かしして勉強してたとか?」

まさか。
くすっと笑う私に佐喜子も「今思い出したんでしょ?」と勉強してないのはわかったようで笑った。

確か――英語だったっけ?

…何で私もうろ覚えなんだか…
まあ仕方ないか。毎日同じような繰り返しなんだから。

今日が雨じゃなくて、カレーじゃなくてテストもなく、修弥と出かけなければ――気付けないくらいの日常だもの。


だけど、今日は違う。


同じ日。
同じ日が繰り返される。