これって都合の良い解釈なんだろうか。

だけどそんな理由でもなければやっぱりおかしいじゃない。

そもそも――これは何回繰り返されるの?

何かが変わったら――終わるかもしれない。



それが正しい事かどうか分からないけれど、何もしないわけにもいかない。

繰り返されているのならば、変えてしまえばいいじゃない。


足下に不規則に落ちて音を鳴らす雨から視線を上げて、とりあえず前を見て歩いた。


それしかできないし、それを、しなくちゃいけない。

そう言い聞かせて。


「おはよ、実結」

昨日と同じように、電車を降りてすぐに声を掛けられる。まあ、別に昨日に限った話ではないけれど。

「はよ」

軽く振り向くと、佐喜子がもう私の隣まで来ていて傘を広げながら笑った。

「どーしたの?元気ない?」

笑顔で挨拶したのに私に反応が無いからか、佐喜子が首をかしげる。