「実結!」

母の声でばちっと目が開いた。
開いていたはずの目が、また――開く。

目の前に広がるのは、修弥の姿なんかじゃなくて私の部屋。真っ白の天井と温かい布団につつまれる感覚。


部屋だ。私の部屋。
さっきまでのは――何だった?

「実結!」

また母の声が聞こえてがばっと体を起こした。

頭がくらくらする。さっきまでのは何だったのか。

夢――にしてはやっぱりおかしいじゃない。だって、二度目だ。


もしかして――


そんな思いが浮かんで、ぶるぶると頭を振ってまだはっきりしない頭と体で階段を下りた。


「ほら、遅刻するわよ!早くご飯食べなさい!」

リビングに降りた私の姿を見た母が、机に朝ご飯を置いてそう言う。



昨日、と言って良いのかもうわからないけど…晩ご飯の残り物の



カレーライス。


部屋中にカレーのニオイが充満するように感じて、倒れそうになった。


――もしかして。

そうもしかして、繰り返されている、『今日』