「何わけわかんねーこと言ってんの…

そんな言われたってもう本当に無理なんだって、約束したし。悪い。また来週な」

「ちが――…本当に…」

なんでわかってくれないの。


「それに――、私の方が先に約束したじゃない!」

「あーもうなんだよ急に。なんで今日はそんなこと言うんだよ。いつもはなんもいわねーじゃん」

困ったような修弥に少し胸が痛みつつも、それでも行かせるわけには行かなかった。

「ダメなの…今日は…お願い」

私の言葉に修弥は少しため息をついて考え込んだ。

お願い、諦めて。
お願いだから――行かないで。


「やーごめん!ほんっとわるいって、ごめん、な!」

「しゅう――…」

ぱんっと目の前で手を合わせて、そのまま私の返事を聞くことなく――…





走っていく修弥。


そして鳴り響くのは、記憶と同じ――…






――――キイィ…!ドン!


車のブレーキ音と、ぶつかる、音。