階段を駆け上ったところで少し足を止めて、乱れた息でゆっくりと歩いた。

修弥のクラスは――やっぱり苦手だ。

修弥に集まるクラスメイト。囲まれた修弥を見ていると、なんだか自分が置いて行かれたような、入れない空間を感じる。

クラスが違えば多少は仕方ないことだけど。


それ以上に、私といるよりも楽しそうな修弥を見せつけられる気がするから。

それが、私の思い込みで自分勝手なことだってことはわかっている。修弥はそんな私にそんな風に接することはない。



みんなと一緒のように、接するんだから。


手元のいらない教科書を見つめて、はあっとため息をついた。

「バカみたい」

本当に。くだらない心配なんかして。また変に教室で注目されるところだったじゃないか。


――誘われるから。

そう思って脚を止めた。
なんで私は――誘われるって思ったんだっけ…

夢では――どうだった?

ぼんやりと思い出すものの、それが夢なのかこの前のことなのかがやっぱり分からない。

やっぱりどこか――夢がまとまりつく。