――やっぱり、クラスでも目立ってるんだ。中学時代と同じように。

何が目立ってるんだろう。
別に不細工じゃないけど、それでも特別格好いいわけでもないのに。

クラスに何人かの女の子には好意を寄せられる修弥。



そんな修弥と付き合ってる――私。

「…なんでだろ」

自分でも不思議。修弥は――…私を好きなんだろうか。でも告白されたことだってあるのに断っているのは、私がいるからだろうし…


修弥の周りに自然に集まるクラスメイトは、男女混じっていた。

笑って、ふざけて、触れて、じゃれる。


「実結が教科書貸して欲しいんだって。お前持ってる?」

「あ、いいよ…もう」

グループの中で急にそう発言した修弥に思わず声を掛けた。その瞬間に私に集まる視線が…いたい。


「あ?なんで?忘れたんだろ?」

「や、そうだけど…修弥がないならいいよ…誰かに借りるから…」

そもそも修弥が持ってないのは何でなの。どうせあいつのことだから毎日ろくに持ってきてないんだ。

それを知ってるからこそ、私は借りなかったんだっけ。



――余りに借りることなんかなくて忘れてたけど。