「修弥!」

強引に人混みの中に入り混んで、一秒でも早く修弥の元を目指した。

「修弥!?」

人混みから抜け出して、ばっと視界が開けたそこには。


「…み、ゆ?」


赤い血を流してはいるけれど、私の呼びかけに返事を返してくれる修弥の姿。

「修弥…」

ふらふらと修弥の傍に近づいて腰を下ろす。

――私を見る修弥。

痛そうだけど、だけど、私の呼びかけに答えてくれる修弥。

――なんで…いつもは…

なんで?だけど…なんでもいい。見つめてくれるなら、声が聞こえているのなら。

「しゅうやあ…」


答えて、何度でも。
何度も呼びかけるから。

泣きながら名前を呼ぶ私に、修弥がゆっくりと手を伸ばして私の頭に触れた。