修弥が私に手を振って離れていくのを少しだけ見つめ、そして、背を向けた。
目を閉じて、それでもあふれそうになる涙をこらえて上を見たけれど、雨と一緒で涙は下へ下へとこぼれた。
「…あ、あ…あ」
耐えようと思いながらも背を向けたと同時にぼたぼたとこぼれ落ちる涙に、声も一緒に溢れるように出る。
バカ。
我慢をするって決めたのに。
最後まで笑うって決めたのに。
「あ、あー…」
とどまることのない雨の中、とどまることをやめた涙がぼたぼたとこぼれ落ちる。
何度拭っても。何度こらえても。
口を開けて、ただ小さく叫んだ。
空からは無数の雫が一緒になって私を濡らす。
「あー…あああぁあー」