でも実際に私は、何も覚えてない。

ぼんやりと、だらだらと過ごしていた。

――だからこそ、今こんなにも心が痛むんだ。


ごめん、と謝ろうかと少し口を開いたけれど…認めるようで…それがいいのか悪いのかわからない。

そんなことないと嘘でも言えればいいのに、それも言えない。


ごめん

心の中で謝ることしか出来ない。


少しだけ手を強く握り返して、何度も心で呟いた。


私が勝手に修弥にたいして不満を抱いてすねて、意地を張っている間に、そんな風に思わせて、ごめん。

好きだったから。
大好きだったから。

だから、こんなにも抱いてしまった気持ちだったのに。

そんなこと、伝えもしないで不満ばかりをで、ごめん。

一緒に話をして、大きくなった気持ちをずっと隠して来てしまってごめんね。


それでも一緒にいてくれてありがとう。