胸が心地良い振動を私に伝える。

何も言わずにその手を握りしめると修弥の鼓動も私の体に伝わって、それがなおさら心地良い。

泣けそうなほどに。


「なんだこれ、中学生みたいだな」

修弥が苦笑混じりに呟いて、私を見る。

つきあい始めのような、そんな緊張感が私たちをつつむ。

二年も一緒にいたのに今更こんな事で真っ赤になる私たち。



「今日は――…良く笑うな」

ふと、修弥が私を見て、本当に嬉しそうな顔をして言った。


「――そう?」

「ほんと、最近ずっと無表情だったから…」

そんなつもりはなかったけれど、そんな風に見えていたのかな。

「お前の第一印象って、良く笑う奴だなーって思ってたのに。ずーっとつまんなさそうな顔しかしねえんだもんな、お前。

つまんねーのかと思った」

「そんなこと…」


今までの私は、そんな風に修弥に思われてたの…?