何でそんなに…

「隠さなくても良いじゃない。最初っから言えばいいのに…何で隠してたの?」

私の言葉に、ちらっとすき間から私に視線をぶつけてきた。


「もういいじゃん、ここまで分かってるんだから…」

さすがにもう、今は、隠し事なんて嫌だよ。


じっと見つめると、諦めたようにため息をついて顔を上げる修弥に、話してくれるのかと少し体を前にして言葉を待った。


「お前…忘れてんのな、やっぱり」



でも出てきた言葉は思いも寄らない言葉で。

「へ?」

何を?
私に関係があることなの?


「去年――…ケンカしたから」

少しずつ話は始めるその声は、息をひそめて聞かないと分からない程小さな声だった。