むっと修弥の顔を見ると、修弥は楽しそうに笑った。
この笑顔を私は、いつまで覚えておけるだろう。
「修弥は、私のこと…」
好きなの?そう聞こうと思ったけれど、ぐっと喉に詰まって出てこない。
そもそも…こんな聞き方で良いのだろうか。
好きなの?なんて、ある意味好きじゃないみたい。
続きを待つ修弥の顔を見て、喉に詰まった言葉を飲み込んだ。
「騙してたでしょ」
「は?」
「中学の時、あの冷やかし、修弥が仕組んだんだってね」
そう言うと、修弥の顔が一気に真っ赤に変わった。それはもう、瞬間的に。
「――な、なんで…それ」
面白い…こんな修弥見たことないかもしれない。
「や、ちょっと、ある人から…」
そう言えばこの話は昨日聞いたから…佐喜子はまだ私に話してないことになってるんだっけ?
とっさに濁すけれど、修弥は「佐喜子か、あいつか…」とぶつぶつと真っ赤なままで怒っている。
――…ほんとなんだ。
この様子を見ていれば、あの話が本当だったことが分かる。