今会わなければ、もう放課後まで時間はないし、放課後になればもうあっという間だ…
――もしも、もう、繰り返さなかったら…?
「昼休み、空いてる…?」
ただ、一緒に話をしたいと思うから。
そう、すこし戸惑い気味に声にすると、修弥は少し何も言わなかった。
「何?照れてんの?」
修弥の後ろにいたトモカさんが、顔を出して修弥にチャチャをいれる。
怖くて顔を真っ直ぐに見れなかったけれど、少し視線を上げて修弥の表情を見ると――…
「真っ赤…」
思わず呟いてしまうほどに。
耳まで赤い修弥の顔。
「うっせえな、分かったからもう教室戻れよ」
照れ隠し?
自分の腕で自分の顔を隠すようにして、もう片方の手で私をぐいぐいと押した。
「じゃーお昼に」
そう言って、そのまま教室の中に入ってしまった修弥。
――あんなにも、真っ赤になるなんて。
思っても見なかった反応に、一人廊下に残されたままで、ホームルームが始まるチャイムを聞いた。