「おま、なにしてんの。何話してんの!?」
バイトのこと、そんなに隠したいのかな。
「トモカ、余計な事いってねーだろうな!」
――そんなこと言えば、隠し事があるのがバレバレだよ…修弥。
なんて嘘が下手なんだろう。
私とトモカさんの間に入って、余計な話をしないように壁を作る修弥に思わず呆れて笑った。
――本当に、なんて馬鹿なんだろう。
でも、今まで気付けなかったのも私だ。もしかしたら、たくさんヒントは落ちていたかもしれないのに…
「えー女の子の秘密の話だけど?」
修弥の問い詰めに、しれっとそんなことを言って「ねー」と私を覗き込みながら笑うトモカさんに、「ね」と笑顔で返した。
自然に、笑えた。
「んだよ、気持ち悪い…で、なんで実結俺のクラスにいるんだよ」
何も言わない私たちに納得いかない表情をしながら私の方に振り向いた修弥は、いつもの修弥だ。
何も変わらない。
変わったのは何だったんだろう。
「話があったんだけど――…」
聞こうと思っていたことがなくなったから、取りあえずはいいのかもしれない。
――けれど。