「でも、二人は――…」

私じゃなくて、トモカさんなんじゃ?

「え?二人?私と…修弥?え?」

いつの間にか声に出していたらしい言葉に、トモカさんは少し笑うのをやめて止まった。

と、思ったら急に「ああ」と何かに納得したかのように口を開けて、クスクスと笑い始める。


「もしかして、私と修弥が何かあるって思ってた?だからか、実結ちゃん、私に素っ気ないなあって思ってて」

「あ、いやそんなこと…」

あるけど…
本人に面と向かって言われると…


「ただ、深夜に一緒にいたって…聞いて…」

「バイト帰りかな?深夜だったら…」

身に覚えがないように少し考えて話すトモカさんが、嘘をついているようには思えなかった。


――ホントに、なにも、ないの…?


「何もそんな心配することないし、私内緒だけどね、修弥にも」


そう言って私の耳元で小さく呟いた。

「バイト先の社員さんと付き合ってるんだー」

「…そう、なの…」

あまりにもその顔が真っ赤で、可愛くて、初めてトモカさんを真っ正面から見た、そんな気がした。