「修弥は晴れが似合うね」
「なにそれ。晴れなんて誰でも似合うんじゃねえの?」
違うんだ。
修弥の笑顔はいつも、明るくさせるから、だから晴れは修弥みたいだって思っていたんだ。
「――…あれ?」
ぽつりと落ちてきた雫に同時に体を起こして、そのまま強まる雨から逃げるように屋内に走った。
「雨かー…」
さっきまで晴れていたのに一気に空が灰色に変わって、さらさらと雨が音を鳴らしながら落ちる様子に、二人で無言で見つめた。
「雨って嫌い」
「実結も晴れの方が似合いそうだな」
「さっき誰でも似合うって言ったじゃない」
私の言葉に笑う顔は、雨だけど晴れの日と何ら変わりなかった。
「晴れの日に、またどっか行こうか」
「うん、でも雨が降っても大丈夫なところが良いな」
「わがまま」
二人でくすくすと雨の中笑う。
雨音に隠れるように小さく笑う。