何が嫌なわけでもないのに、楽しいとは思わないのはなんでだろう。楽しい事がないから仕方ないのかな。


「毎日、同じじゃない」

「ばばあみてーだな」

うるさいな…
修弥の言葉にちょっと睨むと修弥は肩をすくめて笑った。

「中学の時は結構笑ってたけどなあ。会ったときとかお前でっかい口で笑ってたし」

「…なにそれ」

出会ったときなんて――…覚えてない。

「本当にお前忘れっぽいなあ…ちゃんと生きてんのか?」

「どうでもいいことはすぐに忘れるようになってるの。修弥こそなんでそんなに覚えてるの」

「物覚えがいいんだよ」

馬鹿じゃないの。
ちょっと偉そうに笑う修弥に、釣られて笑った。

こんな時なのに、こんな風に話をするなんて変な気分だ。

こんな時なのに、笑えるなんておかしな感じがする。



――だけど、久々で、そんなに悪くない。